『愛するときに話すこと』
[ストーリー]
薬剤師のシム・イングは、知的障害者の兄の世話に追われ、自分の恋愛は後回しにしていた。そんなある日、贋物ブランドのデザイナー、イ・ヘランが近所に引っ越してきた。亡父の残した借金に追われるヘランが、睡眠薬を買うため薬局に立ち寄ったとき、イングは昔の恋人が結婚することを知り、落ち込んでいた。イングはヘランに缶ビールを差し出し、飲み語りあううち、ふたりは互いに魅かれてゆく……。
〈韓フェスストーリー紹介より〉
『八月のクリスマス』を思わせるような静かで生きていくことの苦さをリアルに描いたラブストーリーでした。
誰しもが抱えている家族の事情。この二人の男女が抱えている問題は少しだけ普通の人よりも重いものなんですね。
薬剤師のイングは物静かで人当たりがよく、薬局も雑貨店を兼ねた様な地元密着のような形で地道に商売を営んでいます。しかし彼には知的障害の兄がいて昔の彼女との結婚がそれが原因で破談になっていたんですね。
偽ブランドを作っては売っているヘランは父が残した5億ウォンの借金の為に恋もあきらめただひたすら借金返済のために働く毎日。
ある日、イングのところにに元恋人が訪ねて来て結婚話をします。最後・・・という感じでモーテルに入るのですが空しさを覚えてひとりホテルを立ち去るイング。その夜、妹の妊娠結婚でさらに自分の肩にかかるものが大きくなり睡眠薬を買おうと思ったヘランがやって来ます。そのヘランにビールを勧めるイング。その後意気投合し勢いでモーテルに入るが何もなくただ時を過ごす。しかしこの日ときっかけに二人の距離は近づいていくわけです。
でもこれは若い男女のキラキラした恋愛物と違って愛に傷つき愛を見失いかけていた大人の男女が少しずつ自らの傷を見せあい共に享受し、今の自分を受け入れながら淡々と愛を深めていく感じがしました。
ハン・ソッキュが障害を持つ兄を心から愛しながらも自分のためだけには生きられないというどうにもならない現実に焦燥感を覚え感情を露にする姿や母の死をきっかけに全てを取り込んで前向きに生きようとする姿は他人事ではないようなリアル感があり、改めて彼の演技に感動してしまいました。
キム・ジスもいつもの清楚さや物悲しい役どころと少し違い生活に疲れた時々ヒステリックになってしまうような女性を好演していました。キム・ジスって綺麗なんですがどこか過去持ちの様な訳アリ女性が似合ってますよね。
淡々としているのでお若い方には不向きな映画かもしれませんが、少し人生経験を積んだ人にはどこか身につまされるようなリアルと感情だけでは走れなくなった大人の恋を行方に心が揺さぶられるんじゃないでしょうかね。
二人が選んだ愛の形に心が癒されるかもしれません。
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コメント
おひさです。
そういえば某薬剤師さんに先日やっと会いました。
だけどランチ終わったら
即効お帰りに(~_~;)
相変わらずお忙しいようでした。
投稿: sayaka | 2008/03/05 23:56
sayakaさん、あんにょーん☆
某薬剤師のおねーさんはお元気でしたかぁ
相変わらすバイタリティの塊みたいですね(笑)
もうすぐまたソウルですよね。気を付けて行ってきてくたさいねー(^-^)v
投稿: キャサリン | 2008/03/06 13:17
キャサリンさん、こんにちは~
またお邪魔します。
切なさに胸がキュンとなりました。
大人なキム・ジス、綺麗ですね。
今作は気の強さと脆さの両面を演じて素敵でしたね。
ハン・ソッキュって、声が好きです!
確か俳優になる前は、ラジオ局のアナウンサーでしたか?
また同じ作品を観た時には、お邪魔させてくださいね♪
投稿: fizz♪ | 2008/05/10 12:34
fizzさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
大人のラブストーリーでしたね。
二人の静かな演技が心に沁みる作品でした。
ハン・ソッキュ氏は声優もなさっていたようなので本当に声がいいですね。
投稿: キャサリン | 2008/05/12 13:33