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『武士の一分』

K0610ichibun_1 【制作年】2006年

【監督・脚本】山田 洋次

【原作】藤沢 周平 

【出演】

木村 拓哉  →  三村新之丞

檀 れい  →  三村加世

笹野 高史  →  徳平

小林 稔侍  →  樋口作之助

緒形 拳  →  木部孫八郎

桃井 かおり  →  波多野以寧

坂東 三津五郎 → 島田 藤弥

89edfffb 【ストーリー】三村新之丞は東北のある小藩に使える三十石の下級武士。剣術の覚えもあり秀才といわれていたが今の役職はお毒見役の一人に過ぎない。しかしながら気立てのいい妻とつつましくも幸せな日々を送っていた。そんなある日、毒見した貝にあたってしまい新之丞は一命を取り留めたものの失明してしまう。勤めを果たせなくなった新之丞の運命は藩が握っている。そこで親類縁者の話し合いの末、加世が力のある番頭(がんがしら)の島田のところに懇願に行くことを命ぜられる。しかし島田は加世の助けになることを条件に加世を手篭めにしてしまう・・・・

******************************

キムタク主演ということでどちらかといえばかっこよさを前面に押し出す映画かと思っていたらいい意味で裏切られたという印象でした。現代劇での演技に少し食傷気味だったのですが、時代劇でしかも東北訛りで話す木村拓哉は新鮮な感じがしました。特に失明してからの演技にはドキッとさせられるものがあり、加世の不義を知ってしまったときの悔しさや悲しさや絶望感などの入り混じった感情で加世を見据えたときの顔がとても印象的でした。

しかしストーリー自体は暗さはなくところどころに監督のユーモアや今で言うサラリーマンの悲哀が面白く描かれていてごく普通の人達のありふれた生活の中での悲喜こもごもがよく描かれていたと思います。狭いながらも楽しい我が家というように愛する妻と贅沢は何一つないが日々を楽しく暮らしている風景、そこには確かな幸福感が見て取れます。

T0004336 加世を演じた檀れいはとても可憐で新之丞を心から慕い続けていることが仕草や言葉の中にあふれていてとても美しかったです。ただ傅いている妻というよりは旦那様の愛を信じ寄り添っているいじらしくかわいらしい妻といった感じがしました。

この妻を奪われたことで『武士の一分』を掛けて島田に挑んでいく新之丞からあまり復讐の念のようなものを感じなかったのは監督の意図のひとつだったのでしょうか。結局新之丞は島田を殺すことなく立ち去り、結果的に自決・・・というストーリーになってました。殺伐とした武士の世界を描くというよりは夫として、妻として、人間としての愛情や生き方を淡々と描いている作品になっています。

中間の徳平を演じた笹野高史は忠義を尽くしながらも新之丞と加世を温かく見守っているいい役どころでした。映画の中で一番目に付いたんじゃないかなぁ~(笑)ラストも徳平の『新しい飯炊き女』でピンと来てオチが解ってしまったのにもかかわらず新之丞の『おめさの煮物の味、忘れるわけねぇべ』の一言で思わず涙ダーだーのキャサリンでした。

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コメント

キャサリンさん、TB&コメント有難うございました。
私も今まで「キムタクは何を演じてもキムタク」と言うイメージでいましたが、
この映画ではキャサリンさんが言うように、良い意味で裏切られた感じですね。

個性豊かなしかも大ベテランの方たちとともに、
役者=木村拓哉として、とても良かったと思います。
ストーリー展開的には、オチが読めてしまう感じですが、それでも泣けるし、心に残る作品でした。

キャサリンさんのご覧になっているものと、私が見ているもので、結構共通のものがありますので、またお邪魔させていただきますね。

投稿: aki | 2006/12/10 21:46

こんばんわ。あっしゅです!

本当にいい意味でキムタクに騙されましたよねぇ~。盲目の武士役を上手に演じてました!

壇れいさんも綺麗でしたね。男からしてみたら、加世的な女性はたまりません!お嫁さんにしたいNO1です!

またまた遊びに参ります!でわでわ。

投稿: あっしゅ | 2006/12/10 23:34

キャサリンさん TBとコメントありがとうございました!

ちょっと口惜しいけど、やっぱりキムタクの演技は素晴らしかったと認めざるを得ないですね!
彼の底力を見たような気がします。

所々にユーモアも交えながら、時代劇と言うと取っ付きにくいなぁ~なんて思ってましたが、ストーリーも分かりやすくって、この辺りはさすが山田監督ですね!

投稿: なぎさ | 2006/12/11 08:40

akiさん、こんばんわ。
コメント入れていただけて光栄です。
個性豊かなキャストと監督の手腕で木村拓哉が『キムタク』という殻を脱いだ感じがしました。
殺伐としてなく優しい感じのいい映画でしたね。
akiさんのところに私もまたお邪魔させていただきますね。

投稿: キャサリン | 2006/12/13 20:48

あっしゅさん、こんばんわ~♪
俳優木村拓哉として盲目の武士を強さや弱さ、そして優しさを込めて好演していましたね。

>壇れいさんも綺麗でしたね。男からしてみた
>ら、加世的な女性はたまりません!お嫁さん
>にしたいNO1です!
ははははははは・・・
今時あんな慎ましやかで可憐な女の人がいたら男ならほっとかないんでしょうね(笑)

私もまたお邪魔させていただきます。よろしくm(__)m

投稿: キャサリン | 2006/12/13 20:57

なぎささん、コメントありがとうございます。

>ちょっと口惜しいけど、やっぱりキムタクの
>演技は素晴らしかったと認めざるを得ないで
>すね!
全く同感です!!(笑)

時代劇を見ているという感覚があまりなく監督らしい優しさとユーモアがあふれていて若い人が見ても面白い作品だと思います。

またお越しくださいね。

投稿: キャサリン | 2006/12/13 21:01

キャサリンさん、こんばんは!
こちらこそ、初めましてです。
コメントをありがとうございます<(_ _)>

人気の木村君が時代劇に出演という事で
観て来ました(^^ゞ
キャサリンさんもおっしゃるように
やはり、失明してからの彼の姿が良かったですね。髪の伸びたさまや、加世がいなくなってからの部屋の散らかり、食事も不味くなるし(苦笑)
妻の存在は大きいですね~。
古き良き日本の夫婦を堪能出来ました。
映画は時々ですが、良かったらまたよろしくお願いします。

そうそう「宮」は視聴済みで、OSTも買ってしまいました(^^ゞ

投稿: ルル | 2006/12/13 22:24

ルルさん、こんばんわ~☆
失明してからの少し野暮ったくなった
新之丞は人間味がありましたね。

>妻の存在は大きいですね~。
>古き良き日本の夫婦を堪能出来ました。
おっしゃるとおりです。
「内助の功」ってやつですね(笑)

「宮』はなかなか人気が高いですね。
私もすっかりはまってしまいました。

またお立ち寄りくださいね。

投稿: キャサリン | 2006/12/15 19:51

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