『下流人生〜愛こそすべて〜』
【ストーリー】
1950年代末のソウル。イ・スンマン大統領の独裁政権に反対するデモの嵐が吹き荒れる中、政治に興味のない高校生のテウンは喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた。しかし、ふとしたきっかけで野党政治家との縁ができたテウンは、彼と癒着する裏社会へと身を投じ、やくざとして成り上がってゆく・・・
********************************
韓国映画会の巨匠といわれているイム・グォンテク監督の作品です。監督の作品には『将軍の息子』や『春香伝』『水仙画』など数多くの作品がありますね。
しかし巨匠と呼ばれている方の作品であろうと肌が合わないというか、感銘できないというかどうしても私にはこの映画の内容が面白いとはいえませんでした。『水仙画』のときにも感じていたのですがとっても自己満足的な感じがしてしまうのです。監督自身にとってはこの激動の時代をタイムリーに生きてきて色々な思い入れや感慨があったんだろうと思うのですが果たして観客がそれを理解できたのかどうかはちょっと疑問が残ります。
50年代から70年代と激動の時代を駆け抜け、チンピラヤクザのテウンが如何に成り上がって行ったかを描いているのですが、『激動の時代』を生きているテウンの人生が激動に描かれていないような気がしてしまうのです。どちらかといえば盛下がりもないけれど全然盛り上がりのない感じとでも言うのでしょうかね。この男が生き抜いていた時代の価値や揺るぎのない生き様が描かれていればもう少し違ったのかもしれませんが、どちらかと言えばその場凌ぎで時代に流され、たまたま裏切られたことがきっかけで堅気になっていったようにしか感じられなかった私は、まぁ読みの浅いど素人なのかもしれませんがね。
とはいうものの、チョ・スンウは相変わらずの演技派で最初の学生服姿はやはりどうかと思ってしまいますが革ジャンスタイルもスーツ姿もきれいに着こなしていましたし、アクションも結構派手に見せてくれています。彼の妻となるキム・ミンソンも可憐な少女時代からテウンの妻となり数々の苦労をしながらも凛とした強い女を演じていました。この映画、どちらかといえばこのヘオクの人生こそ「激動の時代を潔く生き抜いた女の半生記」と言えそうです。
第二次世界大戦後、日本の植民地から解放された朝鮮半島は北と南に分割される。1950年に朝鮮戦争が勃発。そしてイ・スンマン大統領の独裁的な体制が始まり、反対運動が高まる1957年・・・この映画はここから始まっています。この頃の韓国を全く知らないので政治の動きや裏社会と表社会の密接部分などを知るという点においてはいい勉強になりました。
| 固定リンク
「韓国映画(か行)」カテゴリの記事
- 『光州5・18』(2008.05.24)
- 『カンナさん大成功です』(2007.12.10)
- 『クライング・フィスト(泣拳)』(2007.04.02)
- 『頑張れ!クムスン』(2007.02.07)
- 『家紋の危機』(2006.11.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
キャサリンさん、アンニョン♪
私はこの映画はOKなんだけど、サラーーと現代史を勉強するという感じですよね。
主人公に感情移入とかそういうのではないかなぁ~、ある時代に生きた男という捉え方だったかな。
けど、ふふふ、チョスンウは格好よかった(笑)
投稿: so-so♪。 | 2007/09/18 12:57
SO-SO♪さん、アンニョ~ン☆
私はあんまり面白くなかったんですよね~。
って言うか私はこの時代の背景について勉強不足なのかも・・・^_^;
でも、チョ・スンウはやっぱ魅力がありますよね。色気があるって言うんでしょうか(笑)
私的にはヘオクの生き方のほうに感じるものがあったような気がします。
またお越しくださいね~(^_^)/~
投稿: キャサリン | 2007/09/18 20:14