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『小さな恋のステップ』

C0000683_0[制 作 年] 2004年
[原    題] 知り合いの女 

[脚    本] チャン・ジン
[監    督] チャン・ジン
[撮    影] パク・ヨンス
[音    楽] パク・クンテ
[出    演] 

イ・ナヨン    → ハン・イヨン
チョン・ジェヨン  → トン・チソン
チャン・ヨンナム → 事故女
オ・スンヒョン  → チソンの過去の恋人
チョン・ギュス   → 老医師
パク・ソヌ    → 泥棒
チョ・ドギョン   → 酒場主人
         
    

【ストーリー】

医者から余命3ヶ月の宣告を受け、さらに恋人にも去られてしまい人生ドン底の冴えないプロ野球2軍選手チソン。自暴自棄になった彼は行きつけのバーで泥酔してしまう。そんな彼を介抱したのは、チソンの家から39歩のところに住み、10年間彼を想い続けていたバーテンダーのイヨンだった…。

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Special まず、邦題を見てこの映画を選んだ方は大幅に期待を裏切られるはず。さわやかに笑って素直に泣けるラブコメ!・・・ではないですから(笑)

なんといっても監督は私の大好きな『ガン&トークス』のチャン・ジン監督です。映画監督のほかにシナリオで数多くの作品を手がけていますね。彼の持つフィルム イッスダ( FILM IT SUDA)という団体にチョン・ジェヨンやシン・ハギュンも所属し監督の作品にはチョン・ジェヨンやシン・ハギュンが必ずと言っていいほど出てきます。昨年上映された(韓国で)『拍手するとき去れ』や『私の結婚遠征記』、舞台では映画より先に『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』(演出)などでもこの二人が起用されています。

さて、この映画ですが『ガン&トークス』であれほどニヒルでかっこよく、『シルミド』ではあんなに無骨な役をこなしたチョン・ジェヨンがさえないおっさんになって登場します。

かつては第一線で活躍していた選手(チソン)がある日、その日に限って観客の痴話げんかが耳に入りそれに聞き入っていたために痛恨のエラー、チームは敗退、そして二軍落ちという転落人生を歩んでいる。そこに拍車を掛けるように恋人からの別れ話、病院でのガンの通告と重なり彼は飲めないお酒を飲む。たった二杯の酒でつぶれてしまったチソンをホテルまで運び介抱したのがバーテンダーのイヨンだったわけです。

このイ・ナヨン演じるイヨンがまた変わった女の子なんですね。

チソンに恋して約10年。いつも彼のそばで彼を見つめていたイヨン。しかしいっこうにチソンはイヨンの存在に気づかない。でもこの日、初めてイヨンはチソンに自分の存在を知ってもらえたことに心をときめかすんです。

この日からイヨンは見知らぬ女から「知り合いの女」(原題)へと変化していくわけですね。

余命を宣告されたチソンが今まで見ようともしなかったこと、知ろうともしなかったことを考え始めそれはイヨンとの出会いによって誘発されていく。そんな彼の残された人生を悲喜交々に描いていくわけなんですが決して韓ドラにありがちな難病メロものではないんですね、これが。

笑いはかなりシュールです。大爆笑もありません。韓国のクドカン(宮藤官九郎)と評されているようですがクドカン作品ほどの馬鹿らしさはないかもしれません。残念ながら・・・

知り合いの女となったイヨンとチソンとが以外にもかなりの接点があったり、球場で痴話げんかしていたカップルが彼の家に逃げ込んだ泥棒を通して接点があったりと発想の着眼点は面白いと思いました。

韓国映画を見てて思うのは、特にこの手のB級というかスクリーンで見なくてもOKかなぁと思える作品などに多いのですがスケールの大きさがない代わりにいろんなところで細かなつながりや因縁を発見することが多いようです。たとえば当人は気づいてなくとも以前に出会っていたとか、このときに同じ体験をしていたとか・・・そういうエピソードが隠れていることが多いように感じます。

この映画、見ている途中でオチがわかり全く期待を裏切られることもないままなので最後のほうのどんでん返しで観客が驚くようなことはきっとなかっと思います(笑)

たいした起伏がある訳でもなく、大きな感動がある訳でもないのですがところどころに小さな笑いのあるこの作品わたしは嫌いじゃなさそうです。『ガン&トークス』を超えることはありませんでしたが・・・

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