『明日の記憶』
【ストーリー】
広告代理店に勤める佐伯雅行は、今年50歳になる。ありふれてはいるが穏やかな幸せに満ちていた。そんな彼を突然襲う<若年性アルツハイマー病>。こぼれ落ちる記憶を必死に繋ぎ止めようとあらゆる事柄をメモに取り、闘い始める佐伯。毎日会社で会う仕事仲間の顔が、通い慣れた取引先の場所が・・・思い出せない・・・。知っているはずの街が、突然“見知らぬ風景”に変わっていく。夫を懸命に受け止め、慈しみ、いたわる妻、枝実子。彼女は共に病と闘い、来るべき時が来るまで彼の妻であり続けようと心に決める。
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昨日は毎月【1日】の映画の日でしたので平日にもかかわらずすごく混んでいました。10時ちょっと過ぎに着いたものの初回のチケットは売り切れてしまい13時10分からのしか買えませんでした。とほほ・・・
さて映画は前半涙を誘うものの後半は涙というよりはもうすぐその世代に入る者として身につまされて身につまされて・・・・
夫はバリバリの会社人間。これまで常に家庭のことよりも仕事を優先してきた。仕事は順調、娘の結婚も決まり順風満帆の生活を送っている。口癖は「ビシッといこう!!ビシッと!」 40代後半から50代の夫婦にありがちな光景がリアルでした。
仕事を精力的にこなしていた自分が「何か変だ」と気づきはじめる恐怖と焦燥感。病気を認めたくない気持ち、一瞬にして墜落していく地位・・・会社という媒体の怖さ。ここでは心優しい部下たちと文句を言いながらも認めっている仕事仲間の存在が一筋の明かりのように心を暖かくしてくれました。
アルツハイマーチェックのシーンでは多分観客全員が一緒になって及川ミッチー演じる脳神経科の先生の言葉に耳を凝らして聞いていたはずです。だって90パーセント位の観客が40代以降だったから(笑)
アルツハイマーが進み自分の妻の行動に猜疑的になった夫へ妻がこんな感じのことを言うんです。(正確ではありませんが)「あなたは娘が高校の第1希望に落ちたときに何をしていたの?娘は部屋に鍵をかけて泣きっぱなしで閉じこもっているときにあなたはクラブのおねーちゃんと飲んでたでしょ!・・・・娘がぐれた時だって私があんなに悩んでいても何もしてくれなかった!私は今まであなたなして一人でやってきたのよ!!」ってね。あ~これを聞いてうんうんと頷く主婦と首をすくめる夫の姿が目に浮かびます。
子供も手を離れこれからは夫婦で過ごす時間が増えていくはずだったのに・・・突然襲い掛かる病魔。他人事とは思えずとても怖いなと思う部分と樋口可南子演じる枝実子のように凛として強く生きたいと思う気持ちで胸が熱くなりました。
若い人にも見ていただきたい映画です。
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