『デイジー』
オランダで骨董店を営む祖父と暮らす画家の卵ヘヨンのもとに頻繁に届けられるデイジーの花。それは夏に訪れた郊外での忘れ難くも美しい夏の日の記憶を甦らせるものだった。名前も姿も知らない送り主こそ運命の恋人だと信じるヘヨンは、肖像画の客として花を持って現れたジョンウに心惹かれるようになる。そんなヘヨンの毎日を人知れず見守り続ける男パクウィ。花を育てクラシック音楽を愛するその男は暗殺のプロだった…。
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ピュアで美しく悲しい物語でした。
構成は物語を少し進めたところでへヨン、チョン・ウ、パク・ウィそれぞれのエピソードを織り交ぜてストーリを進めていく形で始まっています。
それぞれの想い、思惑が掛け違ったボタンのように行き違いもどかしさと悲劇に向かっているような不安感をもたらしていきます。
スナイパーであるパク・ウィとへヨンを見つめるパク・ウィ。寡黙で非情な男が花を育て、クラシックを愛し、愛する者の為に絵の世界を学ぶ・・・いつか話ができた時に共通の話題があるようにと。それでも姿を現すつもりなどなかったはずなのに・・・。 彼女を見守るもうひとつの視線に気づかなければ・・・彼女が見つめる一人の男が現れさえしなければ・・・
そしてある日・・・・一発の銃弾がさらに3人の運命を狂わせていく。
チョン・ウソンは声・表情、しぐさ、一つ一つが魅力的でした。野性味があり繊細で純真で孤独。そんな感じです。
チョン・ジヒョンは相変わらずきれいであることは否定はしません、が、演技という点においては作品ごとに多様性のある女優さんとはいえないかもしれません。『イルマーレ』『猟奇的・・』『僕かの』『4人の食卓』『ホワイトバレンタイン』など幾つも映画を見てきましたがまったく違うキャラクターであるはずが同じに見えてしまう部分があるんです。まぁ、それが個性と言えば言えなくもないんでしょうが・・
イ・ソンジェは刑事という点においては少し線が細いような気もします。『氷雨』の時ぐらいがすきなんですけどねぇ、私。
今回の男性二人はどちらも無口でセリフがとっても少ないのですが視線や表情での演技がいいですね。
監督は「インファナルフェア」のアンドリュー・ラウ監督です。多分この情報を先に仕入れてなくてもこの映画との類似点を感じていたでしょう。しかし残念なことに知った上で見てしまったのでいくつかシーンでデジャブに似たような感覚にとらわれました。ほんの短いカットや撮影方法に「インファナルフェア」が存在していました。全体を通してやはり既存の韓国映画とは少し違う様な感じがします。
すごく泣ける!と言う方もいますが私はどちらかと言うと切なさがじわじわと心に迫ってくる映画でした。お時間あれば劇場へ。
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コメント
キャサリンさん!ご覧になったのね~
アンジェラ・アキのあの音楽が良いですよね。
投稿: ゆき | 2006/05/28 23:52
キャサリンさん、ゆきさん、はじめまして!
我が家にお越し頂いてありがとうございます。
すれ違っていましたが、キャサリンさんのお部屋に遊びに来るのは初めてです。ドキドキ
沢山作品見てるんですね!
これからもちょくちょく遊びに来させて下さいね!
私も切なさがじわじわと心に迫ってくる感じを受けました。
泣けて泣けてとは違う様な気がします。
ちょっと突っ込みたい所もあったし!
TBありがとうございます。私もしました~
投稿: 青き星 | 2006/05/29 22:21
ゆきさん、おはようございます~!
アンジェラ・アキがイメージソングを歌っているんですね。
お時間あればぜひ映画館で見てくださいね。
いい映画でしたよ。
投稿: キャサリン | 2006/05/30 08:39
青き星さん、ご訪問ありがとうございます。
SO-SOさんのところでよくお名前をお見かけしました。
銃撃戦とかの『動』の部分もありましたが『静』の部分に見所があったような気がします。号泣と言うよりは胸を締め付けられる気分です。
またお立ち寄りくださいね。
投稿: キャサリン | 2006/05/30 08:43
キャサリンさん、昨日はTBとコメントありがとうございました!
こちらに参りましたら、な、なんとすでに『デイジー』が・・・。
私も本日UPしたので、こちらのほうにコメントを残させていただきます♪
私は、と~っても気に入りました!
2時間5分の上映中、スクリーンに釘付けでした。
声を失ったヘヨンが、大きく手を振って「やめて!」と言うところ、思わず涙が出ました~。
エンドロールで流れたあの曲は誰が歌っているか知りませんか?
良い曲でしたね♪
投稿: なぎさ | 2006/05/30 12:11
なぎささん、コメントありがとうございます。
じわじわと心に迫ってくるものがある映画でした。私もこういう映画嫌いではありません。
エンドロールの『デイジー』はHeyという女性バラード歌手が歌っているようですがどんな方なのか私もわからないんです。
素敵な歌ですよね。
またお立ち寄りくださいね。
投稿: キャサリン | 2006/05/30 20:30
キャサリンさん、こんにちは。
私も日曜日に観て来ました。
最後にヘヨンが絵を高く上げて彼を止めるシーン、見ていられなかったです。誰か何とかしてぇぇっていう感じでした。
じわっと悲しみがやってきてお涙頂戴的な映画ではなかったのですが、何故か最後に一気にこみ上げてくるものを感じました。何言ってんだか分かりませんが、とにかく感動できる好い映画でした。
投稿: かつ | 2006/05/31 02:07
かつさん♪こんばんわ~本当に最後の最後までへヨンの待っていた人がパクウィだと明かさなかったのであの絵のシーンは胸が締め付けられる想いでした。へヨンの前に姿を現したときのパクウィの笑顔が印象的でした。
じわっとくる映画でしたね。
また、お越しくださいね。
投稿: キャサリン | 2006/05/31 21:24
こんばんは!echo&コメ、ありがとうございました!
最初のシーン、お気づきだったんですね。
あたしはぼーっとしていて、横のパツキンしか覚えていませんでした、、、
早く確認したい!です。
またよろしくお願いしますね。
投稿: 猫姫少佐現品限り | 2006/05/31 23:33
猫姫少佐現品限りさん、コメントありがとうございます。
最初のシーンのときにチョン・ウソンの姿には気づいていたのですがイ・ソンジェまで居たとは気づきませんでした。
DVDが出たら確認しなくちゃね☆
またお立ち寄り下しね。
投稿: キャサリン | 2006/06/02 09:46
T/B送ってくださってありがとうございました。キャサリンさんの日記は充実してて大賑わいでたのしいですね。情報も満載だし。また、来ますね
投稿: 粒太 | 2006/06/03 00:38
粒太さん、おはようございます。
こちらこそTBしていただいてありがとう
ございました。
充実しているかどうかは解りませんがいろ
んなドラマや映画について気ままに語って
います。
またいつでもお立ち寄りくださいね。
投稿: キャサリン | 2006/06/03 07:50
>『氷雨』の時ぐらいがすきなんですけどねぇ
こんにちわ~。
私もそう思いました。けして痩せてるわけじゃないんですけどね。
役柄的なものでしょうか。
TBさせてくださいね。
投稿: daoppie | 2006/06/09 11:56
daoppieさん、こんばんわ~♪
イ・ソンジェさんもうちょっとふっくらしたほうがいい感じなんですよね。
刑事だからやっぱり華奢すぎるような気がします。
またお立ち寄りくださいね~
投稿: キャサリン | 2006/06/09 21:37