今日から公開された『美しき野獣』 観て来ました。
かなりネタバレありますのでこれからの方はご注意を。

[制 作 年] 2005年
[韓国封切] 2006年1月12日
[原 題] 野獣
[英 語 題] RUNNING WILD
[脚 本] キム・ソンス,ハン・ジフン
[監 督] キム・ソンス
[撮影監督] チェ・サンムク
[音 楽] 川井憲次
[出 演]
クォン・サンウ → チャン・ドヨン
ユ・ジテ → オ・チンウ 検事
ソン・ビョンホ → ユ・カンジン
カン・ソンジン → チョ・ヨンチョル
イ・ジュシル → ドヨンの母
チョン・ウォンジュン → 部長検事
【ストーリー】
自分の直感を信じ、力で犯罪をねじ伏せようとする凶悪犯罪捜査班の若き刑事チャン・ドヨン(クォン・サンウ)。知的なエリートとして、あくまでも法に従って事件を解決しようとするソウル中央地検の冷徹な検事オ・ジヌ(ユ・ジテ)。
捜査のやり方も、人生の考え方も正反対の二人が、偶然にも同時に、巨大な組織力を持つ一人の男を追うことになる。そして、二人の運命的な出会いによって、事件は予測もつかない方向へと大きく動き出していく。
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見終わって感動と言うよりは言い知れない心の葛藤が残りました。
社会の不条理、正義と言うものの意味、権力という名の悪・・・
心を満たしてくれる勧善懲悪を描いた映画でも痛快なアクションで爽快な気分にしてくれる映画でもなかったけれど深く心に焼きつく映画だった。
仲間を作らず、組織にとらわれず、自分の信念だけで進んでいく俗に言うはみ出し刑事のドヨン。荒くれのように見えるが家族を愛し、ありきたりな幸せな生活を送ってみたいと思っているドヨン。
頭脳明晰で法に対して忠実、正義感も強い。が家族への愛より仕事を優先してきたエリート検事のオ・ジヌ。
全く違う二人の間に芽生えた信頼と友情。
この二人が『孤独』という点においては同じ物を持っていたんだと思う。
オ検事から『自分が昔使っていたライターだ』と言ってもらった時のドヨンの表情がとても純粋でよかった。
でも・・・このライターが友情の証となっている部分が悲しい・・・
自分の信じていた正義が崩れ打ち沈んでいくオ・検事にドヨンが言った言葉はちょっと『踊る大走査線』を思わせました。
そして命をかけたドヨンの行動。時を経て手渡された証拠・・・・・・
それがオ・ジヌを野獣に変える。
ラストのエンドロールの中ほんの一瞬うつるオ・ジヌの微かな笑みは諦めにも悲しみにも見えます。
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客観的に見て髪はボサボサで顔も汚くて美しさのかけらもないサンウはとてもカッコ良かった。
どこかの御曹司をやっている時の数十倍いや数百倍はカッコ良かった。
アクションもスタントなして全部やってのけたそうだがあれじゃあ生傷が絶えなかっただろうと思う。
ユ・ジテも『春の日は過ぎ行く』『アタック・ザ・ガスステーション』『リベラ・メ』『ミラー』『オールド・ボーイ』と見てきたが今回が一番良かった。
本当に背が高くてサンウだって決して小さくないのに肩幅の広さがものを言っていました。体の大きさだけでなく存在感がとってもありました。
ヤクザの親分のソン・ビョンホは『ナイスガイ』や『木浦は港だ』『チューブ』『大統領の理髪師』「パイラン』などなど多くの作品で見かける俳優さんですがちょっと癖のある役がとっても上手な役者ですよね。
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